困難な初恋
「ね、やっぱり、・・・だめなの?」

お互いの吐息が部屋に響く。
「だめ・・・」

感じてるくせに。
俺は、仕返しをされている真っ最中だった。
キスは許してもらった。深いキスも。

その後、かわいい胸に吸い付き、臍の周りにもキスをし、
下着に手を伸ばしたところで。

「だめ。しないよ。」

乱れた息を押えながら、秋葉が言った。

「ん・・・これ、結構きついんだけど、
は・・・秋葉も、きつくない?」

自分の上に秋葉を座らせ、深いキスを繰り返しながら言う。
秋葉の身体も明らかにスイッチが入っていて、
跨がっている太ももには湿り気が伝わってくる。

「ぁ・・・ん」

少し動かすと、耳元で小さく喘いだ。

だめ。まじでエロい。我慢できない。

ドサっとベッドに押し倒し、秋葉のズボンに手をかけようとする。
「だめ」

その手をぐっと、抑えられた。
「だめ。でも、気持ちいい・・・から、もっと、して欲しい」

乱れた顔で、無茶なことを言う。

まじか。

「ん・・・はぁ、あのさ、前からちょっと思ってたんだけど」

キスの合間に、何を、と秋葉が言う。

「なんか、男に対して釣れないわりに・・・やたら、エロいんだけど。結構、百戦錬磨だったりすんの・・・」

胸をいじりながら、息を抑えて聞く。

くす、と秋葉が笑った。
手を止めて顔を見る。
「ふふっ・・・百戦錬磨ってなんですか。でも、高校でも大学でも、社会人になってからも、付き合ったことはありますよ。」

少し間をあけて、考えながら言う。

「関係性を作るのは苦手なので、なんか、こういうことで繋ぎ止めようとしてるとこは、もしかしたらあるかもしれない」

寂しそうに言う秋葉の瞼に、優しくキスをする。

「じゃぁ、そういうことが無くても離れなかったら、安心する?」

そうかも。と、囁いて秋葉はまたキスをねだってきた。

これは、思ったよりも苦労するかもしれない。
吐息に挟んで、はぁ、とため息をついた。
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