困難な初恋
秋葉と大樹が降りてきてからは、アルバムを囲みながらわいわいとにぎやかな場になった。

髪が黒い純の姿には驚き、幼い頃からそばにいる健人の姿には嫉妬もしたが。

大切に、大切にされてきた秋葉の姿がそこにはあり、
胸がぎゅっと熱くなった。


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ありがとうございました、と頭を下げ、秋葉の実家を後にする。
二人で駅までの道を歩く。
「ほんとに、ありがとう。」
父さんも母さんも喜んでた。そういう秋葉の表情は穏やかだ。

「あのさ・・・」

ん、とこちらを向く秋葉に、覚悟を決めて口を開く。

「改めて、俺と本気で付き合ってくれない?」

「・・・」

秋葉は答えずうつむく。

まだ、早かったか。

「・・・き」

「え?」

「あなたのこと、ほんとに好き。大好き。」

潤んだ目を向けながら言う秋葉。

あぁ。これで冷静でいられる男がいたら、会ってみたい。

「今日、うち、きて。」

我慢出来ず、またキスをした。
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