ー神様が恋をした人間ー
ー出会いー
無意識に能力を使い

ある世界にたどり着いた

人の気配も何もしない

ただ

綺麗な森があり泉がある

フラフラと俺は木にもたれ掛かる

今こうしている時間にも

三人に何か起きているかもしれない

なのに

動き出せない

ティノ「何が…平和で優しい世界だ…

何が…愛だ…

何も出来ない 守れない 作れない」

自らの手で救おうとしない

こんな俺が

〝神〟であっていいのか

ティノ「いいわけない…

何もかも捨てたい…」

自分の弱さ 無力に嘆き

木にもたれかかったまま

涙を流す

??「こんな所で泣くなんてどうしたのー?」

後ろにも周りにも人の気配は無かった

なのに後ろから声がする

ティノ「…っ!誰だ!!」

涙を拭いながら後ろを振り向く

そこにいたのは

白い雪みたいな長い髪を

風で揺らし

薄水色の瞳が

俺を映す

??「私?私は月雪ヒナだよ?」

ニコと優しく微笑む

それが

俺とヒナの最初の出会いだった
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