【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「沙耶、もう終わり?」
もう終わりという時に、後ろから声をかけられ、資料室からたくさんの資料を抱えて帰ってきた友里に目を向けた。
「それ今から?」
「うんん、少しやって明日にするから大丈夫」
友里の言葉にホッとして、私は頷いた。
「手伝いたい所だけど、今日ちょっと用事があって……」
少し言葉を濁したことで、友里は何かを感づいたようでジッと私の顔を見た。
「なんか、いろいろありそうな顔ね……。また今度じっくり聞かせて」
「ありがとう。そうする」
苦笑いしつつそう答えて、私はパソコンに目を向けた。
30分ほど仕事をして、スマホを見ても、部長から特に連絡がなく、この約束はなくなったのかな?
と思いつつ自分の今日の服が思いっきり汚れていることに気づいた。
嫌だ……。何をつけたんだろう。
スーツについたシミを落とそうと、水道で落とすも全く落ちない。
連絡もないし着替えに帰ろうかな……。
デートでもなんでもないのに、やはりこの服で部長に会う気にはならなかった。
気にしなければいいのに……。自分にツッコミを入れたが私は急いで家へと向かう事にした。