【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「あの頃は、羽田をただ喜ばせたくて、嫌われたくなくて必死だったから」
その言葉に驚いて部長を見た。
「その顔、俺がそんなことを思ってるなんて知らなかっただろ?」
知らなかった。
いつも年上で、余裕があって、なんでも包み込んだくれていて、私は逆にいつも釣り合っているのか心配だった。
「不安だったの?」
そう言って私は俯いてご飯を口に入れた。
「不安だったよ。羽田は人気あったし」
「はあ?誰が?」
キョトンと見上げた私に、部長はクスリと肩を揺らした。