【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「そういう所。全然自分の自己評価が低いのに、計算?ってぐらいかわいい態度で。俺はニコリとお前が俺の友達に笑いかけるだけで、気が気じゃなかった」
そんなことあったのだろうか?
いつも私は部長の横でただ笑っていただけのおバカな子どもだった。
それをそんな風に思っていてくれていたの?
「あー、やばいキスしそうになったじゃん」
じっと私は見上げていたからか、少しふざけたように言って、顔を背けた部長の言葉に慌てて私も目を逸らした。
「それぐらい、お前のその天然の表情は破壊力があるんだぞ。覚えとけ」
少し拗ねたように部長は言うと、料理だけに集中していた。
過去をそんなきれいに思い出みたいに話さないでよ……。
嫌いって思っていた方が幸せだったのかもしれないな。