【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
おもむろに部長に背を向けた私に、慌てて言葉を続けた。
「悪い!やっぱりダメだよな……。怒るな。帰るから」
そう後ろから聞こえたが、私が部長の方を向くと、私の手に握られていた缶ビールに部長は本当に嬉しそうに私をまた抱きしめた。
「ありがとう!本当に助かる」
ギュッと抱きしめられて、いつもの香りとは違う私と同じボディーソープの香りに包まれる。
そっと、胸を押すと、部長を見た。
「私もシャワー浴びて眠る準備するので、飲んでてください。もうお世話しないので、追加のお酒は勝手に飲んでください」
そう言った私に、部長は「もちろん」と笑顔をみせてもう一度私をギュッと抱きしめた。
「もう!過剰スキンシップすぎです!」
こんなんじゃ、いくつ心臓があっても足りないよ!
ドキドキするのを何とか隠して、平静を装いバスルームへと逃げ込んだ。