【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「沙耶、いきなりこんなことになって本当に悪かった」

「いいよ。お母様にも誤解がとけて良かった」
素直に言った私に、優悟君は私の顔を覗き込んだ。

「悪い人ではないんだ。良くも悪くも世間知らずで……ごめん」
真剣に謝罪する優悟君に、私は首を振った。

「お母様も優悟君を思っての事でしょ?」
その言葉に、優悟君は「ありがとう」とホッとした笑顔を見せてくれる。

「それに日名子のことも、良かったのか?」
思い出したのか、優悟君は少し複雑な表情をした。

「そうだね……本当は優悟君にしたみたいに、平手打ちぐらいしたいところだけど」
クスリと笑った私に、優悟君は神妙な顔をした。

「でも、ただ日名子さんは優悟君が好きなだけでしょ?少し表現を間違えたんだろうけど」
私の問いに、優悟君は驚いたような顔をした後、少し考えこんだ。
< 210 / 287 >

この作品をシェア

pagetop