【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「すごいですよね! あの若さで部長っていうだけでも驚きなのに」
満ちゃんが興奮気味に言うと、友里はふと周囲を見渡し、少し声を潜めた。
「でもね、ここだけの話――佐伯部長って、うちの親会社の関係者らしいのよ」
「……どういうこと!?」
間髪入れずに問い返した自分に自分で驚いてしまった。思わず強い口調になってしまった私をみて、友里は一瞬目を丸くした。
「いや、あくまで噂だけど……どこかの役員の息子だとか、そんな話」
友里の言葉に、満ちゃんが少し疑わしげな視線を向ける。
「えー、それって単に『若くして出世したから、きっとコネでしょ』みたいな、根拠のない噂じゃないですか?」
「まあ、そうかもね。実際、実力もあるし、どっちでもいいんだけど……」
そう言って、友里は肩をすくめる。
「ただ、その噂のせいで、秘書課や受付の子たちが目の色変えてるのは、まぎれもない事実よ」
「それは、そうでしょうね……」
満ちゃんも苦笑しながら、うんうんと頷いた。
満ちゃんが興奮気味に言うと、友里はふと周囲を見渡し、少し声を潜めた。
「でもね、ここだけの話――佐伯部長って、うちの親会社の関係者らしいのよ」
「……どういうこと!?」
間髪入れずに問い返した自分に自分で驚いてしまった。思わず強い口調になってしまった私をみて、友里は一瞬目を丸くした。
「いや、あくまで噂だけど……どこかの役員の息子だとか、そんな話」
友里の言葉に、満ちゃんが少し疑わしげな視線を向ける。
「えー、それって単に『若くして出世したから、きっとコネでしょ』みたいな、根拠のない噂じゃないですか?」
「まあ、そうかもね。実際、実力もあるし、どっちでもいいんだけど……」
そう言って、友里は肩をすくめる。
「ただ、その噂のせいで、秘書課や受付の子たちが目の色変えてるのは、まぎれもない事実よ」
「それは、そうでしょうね……」
満ちゃんも苦笑しながら、うんうんと頷いた。