【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「どうされたんですか?」
いつもと違う雰囲気の部長に私は小さく呟くように言うと、部長は一歩私に近づいた。

「どうして最近その笑顔を俺に向けるんだ?」

「何を言ってるんですか?その笑顔ってどういうこと……?」
意味が解らず問いかけた私に、部長はまた一歩近づいた。

そして私の腕をグイッと引っ張ると、今までいた会議室へと入ると扉を閉めた。

「な……なに!?」
その行動に驚いて私は部長を見ると、机に腰をかけて、私をジッと見つめる視線はどこか怖くて、私はごくりと唾液を飲み込んだ。

「どうしてそんな作り笑いを急に浮かべるようになった?それまではいつも俺を憎むような目をしていたのに」

その言葉に、私は何と答えるべきかわからず俯いた。
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