好き。だからこそ嫌いになりたい。
「じゃああたし、彼氏と待ち合わせだから帰るねー!」

「あ、ウチもだわ。」

「じゃあねー茜。」

舞達と別れていた後、あたしは教室に残っていた。

「今日バイトないし暇だなー…。しゃーない帰るか。」

バッグを持ち、廊下を出たその時、

『ねえ、栗原ヤバくなかった??』

『思ったー!むちゃ怖いよね。無言で後ろに立ってるし。』

女子の声が聞こえた。

(…栗原先生、ヤバかったんだ。てかあの人なんであの前髪で目隠してるんだろ…。)

ふと、興味本位で知りたくなった。

その時

「茜!」

声が聞こえた。

(やば!この声淳也だ。)

逃げるように走っていたその時

腕を掴まれた。

(…痛!)




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