凛々しく、可憐な許婚
「結局、私への後継者教育は継続されたわけですが、不思議と真那音くんがいてくれるって思うだけで心が自由になりました。生活にメリハリが出て、それまで一切興味のなかったことにも挑戦するようになったんです」

咲夜はガッツポーズをすると

「第一、真那音くんにも生徒にも私のようないじけた人間になってもらいたくありませんから。限られた時間を有効に使ってほしいんです。そのためなら協力は惜しみません」

と笑った。

「咲夜はいじけた人間なんかじゃないよ。いつも凛としていて、自信に溢れてる。そんな咲夜だからみんなついてくるんじゃないかな」

尊は堅実な人間だ。自分を追い込んで、自らの能力を最大限に発揮してきた。

しかし、それでは早期に限界が生じる。

これからは、咲夜とともに、ゆとりを持った生活を体現するのもありかもしれない。

学園の後継者である尊も、子供の頃からのプレッシャーは相当なものだった。

女性である咲夜に課せられた期待は、尊の比ではないのかもしれない。

咲夜は、生徒だけでなく、真那音も守ろうとしている。

尊は、そんな咲夜の大切な人達を、自分も守っていこうと誓った。
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