主任、それは ハンソク です!

 ああああっ、だめだっ。全然、頭が追い付けなくて、内心、頭を抱え込んだ。 

「他にも、吊りビラ、短冊、あとのぼりもあるし……、ああそうだ、スタンドもあるな。スタンドはわかるか?」

 聞き慣れない言葉が多すぎて、主任の言葉が頭の中をするすると素通りしていく。私の中で、もはや主任の言葉が日本語かどうかすらも怪しくなってきてる。

「おい、なんか顔色悪いぞ。大丈夫か、とみの」
「……あ、あの。得野、です」

 うああああっ、と。今度は主任が頭を抱えた。またしても私の体がびくりと強張る。だから、大声は止めて欲しいのに。

「あ、あのっ。これっ」

 私は気を取り直して、制服のベストの胸ポケットを指さした。

「あ、朝一で作っておきました。これなら、主任も間違えないかと」

 主任が長身を屈ませ、私の制服の胸ポケットをまじまじと見た。

「手書きか? これ」

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