主任、それは ハンソク です!
ねー、と商品課チームの女子たちも声をそろえる。総務課チームに広がっていくいらだちが手に取る様に解って、怖い。
「そんなの事、人事ですから充分わかってますけど。で、それが?」
お局様が、至って冷静に返すのが、やっぱり怖い。
「えー? ここまで言ってわかりませんかぁ? 清住バイヤーの鶴の一声でぇ、いくらっでも鈴原主任が呼べちゃうんですぅ、商品はっ!」
バチバチと両チームから火花が飛んでいる。私は完全に蚊帳の外だ。
「あなたたち、少し社則を読み直してみてはどう?」
お局様がなぜか、余裕の笑みを浮かべている。
「あくまでも定例報告会は仕事の一環。今回は清州産業グループとの契約すり合わせの相談がメインなの。販促というよりも、清州産業グループ西日本統括部長補佐としての彼と、意見交換をしたいわけ。いい? あなたたちみたいな遊びじゃないのよ」
ぐっと商品課チームが怯むも、リーダーさんが負けじと声を上げた。