主任、それは ハンソク です!
 
 ねー、と商品課チームの女子たちも声をそろえる。総務課チームに広がっていくいらだちが手に取る様に解って、怖い。

「そんなの事、人事ですから充分わかってますけど。で、それが?」

 お局様が、至って冷静に返すのが、やっぱり怖い。

「えー? ここまで言ってわかりませんかぁ? 清住バイヤーの鶴の一声でぇ、いくらっでも鈴原主任が呼べちゃうんですぅ、商品はっ!」

 バチバチと両チームから火花が飛んでいる。私は完全に蚊帳の外だ。

「あなたたち、少し社則を読み直してみてはどう?」

 お局様がなぜか、余裕の笑みを浮かべている。

「あくまでも定例報告会は仕事の一環。今回は清州産業グループとの契約すり合わせの相談がメインなの。販促というよりも、清州産業グループ西日本統括部長補佐としての彼と、意見交換をしたいわけ。いい? あなたたちみたいな遊びじゃないのよ」

 ぐっと商品課チームが怯むも、リーダーさんが負けじと声を上げた。

< 35 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop