主任、それは ハンソク です!
たたき台の作業がやっと終わって無事主任を会議へと送り出すと、体は現金なもので急に渇きを訴えだす。ひりつく喉を癒すべく給湯室向かう、も。そこには既に先客がいた。
何となく見知ったような顔が数名。確か、金曜日に押しかけてきた商品課の人達のような。
「……失礼します」
おずおずと会釈するけれど、みんな、誰? って顔をして、とりあえず会釈し返してくる。いつも通りの反応に一安心したとたん。
「……ねぇ、あなた。もしかして、販促の人、よね」
お、覚えられてる。
はぁ、と小さく頷くと、いきなりその中の一人に肩を鷲掴みにされた。
「ねぇ、あなた、何か主任から聞いてないっ!?」
「……はい?」
今度は別の子が私にすり寄る。
「金曜日、主任って本当に急用だったの?」
「……えっとぉ」