皇帝陛下の花嫁公募
「いや……。ナディアのことを聞いた。回復したようでよかった」

「ええ、ほっとしたわ。ずっと目を覚まさなかったから、このまま……って思ってしまって……」

 リゼットは思わず涙ぐむ。今までナディアに傍にいてもらったことが、自分にとってどれだけ大切なことだったのか判ったからだ。

「リゼット……」

 アンドレアスはベッドに腰かけると、リゼットの肩を静かに抱き寄せた。リゼットも彼にもたれかかり、温もりと幸せを得る。

 そういえば、久しぶりに会ったのに、昨夜あんなことがあったから、また一緒に過ごせなかったのだ。あんな慰労会なんて開かなければよかったのに。

「ゲオルグのことはどうなったの? 彼はわたし達を……?」

「あいつは否定している。が、部屋を調べてみると、いくつか不審なものが見つかって、今は軟禁して取り調べ中だ。ただ、あいつがいくら愚かな人間でも、あんな公衆の面前で毒殺なんてしようとするだろうか?」

「それはそうだけど……」
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