皇帝陛下の花嫁公募
 畑が作れる土地はまだいいのだ。問題は湿地帯が多いこと。湿地帯をなんとか改良したいのだが、上手くはいかない。

 でも、これがわたしの愛する国なのよ……。

 アマーナリア王国には魅力がなく、わざわざこの国を襲おうとする敵もいなかった。

 そんなわけで、この国の国民はみんなのどかだった。争うより、協力して、作物を育てたほうがいい。それだけなのだ。

 いつかは結婚して、この国とは縁が切れるのかもしれないけど……。

 今はまだ、わたしの大好きな国。愛する国だ。

 リゼットは馬を駆り、テオと共に、元気よく畑に向かった。

< 9 / 266 >

この作品をシェア

pagetop