不器用な彼女
お昼休み、社長はいつものように事務所の三軒隣の中華屋さんに出掛ける。
メニューも豊富で安くて美味しいらしい。
高カロリーメニューを食べても食べても太らない社長が羨ましくもある。


社長が出掛けると“待っていましたこの時を!”と言わんばかりにキャスター付きの事務イスで詩織の元に滑り込んで来る一美。

「いつから?」

「何がですか?」

「お付き合いよ!」

「内緒です」」



今日は黙秘を貫こう。冷やかされるのは苦手だ。
口を滑らせたら…面倒臭い事も起きる気がする。一美は尚美とタイプが似てるのだ。



「ふーん、まだキス止まりか〜❤︎」


見事な誘導尋問。

詩織は素直。気持ちが顔に出やすいのだ。
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