不器用な彼女

はじめてのデートと衝撃

回らない寿司屋。立派なカウンターの端に二人腰掛ける。

「椎名社長、ご無沙汰だねぇ」なんて大将に言われて、「社長なんて呼び方よして下さいよ」なんて挨拶している。


「話をするなら個室の方が良かったか?」

「いえ、カウンターで食べてみたかったんで」



シャンプーの事、気にならないと言ったら嘘だけど…


一美にも尚美にもカツミにも堂々と宣言してくれた社長を信じようと思い、詩織の機嫌はほぼ直っている。




「高いの、食べまくりますからね?」

「どうぞ。酒も頼んだら?」

「えっ?良いんですか?」

社長は車だからと飲まないらしい。


「お言葉に甘えさせて頂きます」

初めての恋人らしいデート。嬉しくて楽しくて仕方がない。





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