不器用な彼女

告白

何をどんな風に話し始めたら良いのか。。。

気不味い空気。



詩織が話し始める前に社長が口を開いた。

「…違うなら違うと言えよ?
お前の友達の話を聞いてると…俺とお前が付き合った事になってるのか?」

好きとも言ってないし、好きとも言われてない女に勝手に彼氏扱いされていると思ってるに違いない。
どんだけイタイ女と思われてるんだろうか。


「尚美、勘違いしてるみたいで…」

「勘違い? あんなハッキリ名前まで言われて、どんな勘違いだ?ちゃんと分かるように話して?」

口調は優しいけど…社長、迷惑がってる?怒ってる?
怖くて顔をあげられない。

詩織は小さく、本当に小さな声で言う。



「しゃ…社長が好き…でした…」




「いきなり過去形かよ!」なんて社長が吹き出した。さっきまで鬼の顔だったのに。
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