二番目でいいなんて、本当は嘘。
懐かしい気持ちで感傷に浸っていると、布団のなかのシズクがふたたびモゾリと動いた。

「……ごめんね、シズク。そろそろご飯にしようね」
「未央さんの家の猫は、シズクって言うんですか?」

聞こえてきたのは、「なーん」というシズクの甘えた声ではなかった。
もっと低音で、かすかに眠そうで、痺れるようにハスキーな、男の人の、声。

「え!?」

私はがばりと飛び起きた。
ベッドのなかにいたのは、老年のオス猫ではなく、見目麗しい――人間の男だった。
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