二番目でいいなんて、本当は嘘。
実家のことを話しているうちに、本格的に故郷が恋しくなったらしい。

「仕事が第一の男どもなんか放っておいて、未央も一緒に山形に行こうよ! おいしいもの、食べさせてあげる!」

今の東北は、紅葉がきれいな時期だろうか。
きっと美味しいだろう山の幸にも心惹かれたが、あいにく先約があった。

「ごめんなさい。薫さんが、明日半日だけなら時間がとれるって言うから」
「えー!? そうなの!? 慎之介、そんなこと言ってなかった!」

一瞬すずの頭に血が上ったようだが、
「ま、いいや。向こうでやりたいこともあったし、ついでにちょっと仕事もしてくるね。薫と楽しんでねー」
と言って電話を切った。
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