二番目でいいなんて、本当は嘘。
「改善の余地はあるけれど、事業の方向性としてはアリだね。それにしても、未央が自主的に動くなんて珍しいね」

「島本さんのお母さんの話を聞いてから、ずっと考えていたことなの」

半分は後付けの理由だけれど、子供のことを考えたときに、すずの母親のことが頭に浮かんだのは本当だ。

幼い子供を持つ母親が、無理なく働くことのできる環境。
今後の自分の身の振り方を考え、いろいろ調べたときに、現実の厳しさに驚愕した。

ならば、今いる状況を最大限利用しよう。

体の奥から力が湧いた。
不安はある。
でも、立ち止まってはいられない。
そしてこの2日間、考えに考え抜いて企画書を作った。

体のこともあるし、プロジェクトに最後まで関わることができるかわからないけれど、ひとまず前向きに検討してもらえそうなのでホッとする。
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