二番目でいいなんて、本当は嘘。
「今日寄ったのはね、未央ちゃんに用があったからなの」

だからといって直接私の部屋には来ず、いつも清香さんは誰かの家に行って私を呼ぶ。
地域の人たちとコミュニケーションがとりやすいように、配慮してくれているのだと思う。
清香さんのおかげで、ここへ来てまだ半年足らずだというのに、私もすっかり地域の一員だ。

「夕方から、東京からお客様がいらっしゃるんですって」
「私に? 仕事のことなら、いつもメールで連絡がくるんですけど」
「なんとか不動産って言ってたわね」
「……あ!」

きっと、東京の家が売れたのだ。


山形へは出産前後だけの出向の予定ではあるけれど、東京に戻るにしろ、ここに留まるにしろ、前の家には戻らないつもりでいた。

あの家は子供とふたりで暮らすには広すぎる。

――それに、薫さんに子供の存在を知られるわけにはいかなかった。
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