二番目でいいなんて、本当は嘘。
「どの作業をすればいいのでしょうか」

すると、毒舌を吐いていた小柳さんが、デスクの上に山積みになっていた書類を指さした。

「付箋の貼ってあるページが、明日使う資料です。それをパワーポイントで処理するのが彼女の役目でした。パワポは使えますか?」

「大丈夫です。わからない部分は、また聞いてもいいですか?」

「もちろんです。よろしくお願いします」

小柳が攻撃的なのは仕事をしない島本すずに対してだけで、私には好意的だった。


「さて、残業が長引いてシズクに怒られたら困るから、さっさとやってしまおう」

と言ったものの、付箋が貼られていた資料を見て唖然とする。
文書はすべて英語で書かれていた。


――そういえば、ここは外資系のコンサル会社だ。
取引先は外国企業、すなわち共通言語は日本語ではなく英語なのである。


いまさら「できません」と言えるはずもなく、私はパソコンのデータを開き、書類と比較する作業から手をつけてみた。
< 58 / 250 >

この作品をシェア

pagetop