二番目でいいなんて、本当は嘘。
「また、様子を見に来てもいいですか?」

私は少し迷ってから「はい」と答えた。

桐生社長とまた会うことができる。
ただ単純に、そのことが嬉しい。


矛盾してる。

恋はしたくないのに、誰かのぬくもりが欲しい。
人は裏切るとわかっているのに、この人を信じたいと願っている。

これは上司に対する尊敬の念であって、恋愛感情とは違う。

そう自分に言い聞かせようとしても、胸のざわつきが止まらなかった。
< 96 / 250 >

この作品をシェア

pagetop