明治、禁じられた恋の行方

「おい!大変だ・・・!」

雑誌記者の飯田(いいだ)が駆け込んできたのは、その数日後のことだった。


志恩と、その後に千歳が駆け寄る。

千歳の姿に、一瞬ぽかんとしたが、飯田は、あぁ!と手を打った。


「あの女たらしと噂の八神が婚約したのを忘れてた!
 いっや〜!美しいお嬢さんで!」


ガン!と志恩の握り拳が飯田の頭を打つ。

いってぇ!と苦しむ飯田を睨みつけ、
恐る恐る隣を見ると、

「女たらし・・・」

千歳が冷ややかにこちらを見ていた。
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