あの夏の日の


僕は彼女のノートを今さっき
読み終えた。

彼女に振られてからどうして振られてしまったのかってずっと思ってた。

だから今彼女の想いを知って、

涙がとまらない。














001ページ

現在、私は入院している。





いわゆる癌ってやつ。

説明すると難しいけど

ざっくり言うとすんごい珍しい癌らしい。


後腹膜肉腫。


内蔵の奥にできた癌のことで、
筋肉や脂肪、血管、神経に発生した腫瘍のこと。
初期には症状があまり出ず、
腫瘍が大きくなってから
内臓を圧迫し腹痛や吐き気を引き起こす。
極めて稀な癌である。


って病院の先生から教えてもらった。


何万人?いや何千万人に1人とかなんやって。

宝くじ当たるより難しい(笑)


私はまだ17歳だけど余命宣告ってやつを受けてしまった。

もってあと3ヶ月なんやって

実感わかないよ


だから私が生きた証しとして、

私の愛する君のためにこの話を書きます。







「愛しい人へ」



なんて私の柄じゃないから書いてて笑っちゃうけど、



ホントのこと書かないと伝えられなくなってしまうから


今身体が動くうちに、

伝えられる内に


あなたに私の気持ちを全部ここにかきとめます。












まず初めに

あなたがこのノートを

手に取って読んでいるということは

私はもう死んでしまった

ということでしょう。



読んでくれてありがとう


すごく長くて重くなってしまうんだろうけど

最後まで読んでくれると嬉しいです。








病気のことを隠していてごめんなさい。
あなたの前から突然消えてごめんなさい。

酷い理由をつけて、

あなたの話も聞かず強引に別れてしまったこと

ずっと後悔しています。


でもこれだけはわかってほしい。

私があなたを振ったのはあなたのためだったんだよ。

綺麗事なんかじゃない。

ホントにホント。



なのにこんなもの書いてるだなんて矛盾してるもいいところだよね。


自分でやったことなのに笑っちゃう。


私の病気の名前は後腹膜肉腫。ステージ3。

癌です。



見つかった時にはもう遅くて、


余命宣告されちゃった。


あと3ヶ月。


そのときにね、

いっちばん初めに考えたのがあなたのことだった



あなたがいちばん悲しまない方法は何か、

それだけを考えてたんだ。







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