夏が残したテラス……
「あらやだ、あなたったら、海里くんに手伝わせて!」
梨夏さんが、呆れたように言った。
すぐに、おやじさんが物凄い目で俺を睨んだ。
やべ―。怒られると思った時、ドアにもう一つの顔が覗いた。
「あ―。海里さん来てたんだ」
奏海の声に、おやじさんの誤解を解く事を忘れ、俺は顔を上げ軽く手を上げた。
シュークリームの箱を開けると、奏海が悲鳴に近い声を上げた。
「わー! 何んでこんなに沢山あるの? しかも、すごく人気のケーキ屋さんのじゃない。どれにしよう?」
「全種類食べればいいだろう? 数は足りるはずだ」
俺は、ごく普通の答えを返したつもりた。
「何言ってんの? 太るじゃない。一度に沢山じゃなくて、毎日一つ筒でいいのよ?」
「そうか……」
俺が、納得したようにうなずくと、
「そんな事言ったら、こいつ毎日もってくるぞ。アホだって事忘れるな」
おやじさんが、適当にシュークリームを箱から一つ手にして言った。
「そうだった。あはははっ……」
奏海の笑い声が止まらなくなり、アホだと笑われたにもかかわらず、俺の心はあたたかくなっていた。
シューークリームを食べた後も、俺は、またおやじさんの後を付いて回った。
気付けば、日も沈みかけ海の色がオレンジ色に照らされていた。
喫茶店は、夜も営業していて、小さな店はほぼ満席だった。奏海がエプロン姿で、パタパタと手伝っている。
「海里くん、夕飯食べって行って。もうすぐ落ち着くから」
忙しそうな梨夏さんに申し訳ないと思い、俺は首を横に振った。
「いえ。そろそろ帰るんで……」
「いいから、食っていけ」
後ろに、おやじさんの無愛想な顔があった。
梨夏さんは、ふふっと笑って忙しそうにキッチンへと戻って行った。
梨夏さんが、呆れたように言った。
すぐに、おやじさんが物凄い目で俺を睨んだ。
やべ―。怒られると思った時、ドアにもう一つの顔が覗いた。
「あ―。海里さん来てたんだ」
奏海の声に、おやじさんの誤解を解く事を忘れ、俺は顔を上げ軽く手を上げた。
シュークリームの箱を開けると、奏海が悲鳴に近い声を上げた。
「わー! 何んでこんなに沢山あるの? しかも、すごく人気のケーキ屋さんのじゃない。どれにしよう?」
「全種類食べればいいだろう? 数は足りるはずだ」
俺は、ごく普通の答えを返したつもりた。
「何言ってんの? 太るじゃない。一度に沢山じゃなくて、毎日一つ筒でいいのよ?」
「そうか……」
俺が、納得したようにうなずくと、
「そんな事言ったら、こいつ毎日もってくるぞ。アホだって事忘れるな」
おやじさんが、適当にシュークリームを箱から一つ手にして言った。
「そうだった。あはははっ……」
奏海の笑い声が止まらなくなり、アホだと笑われたにもかかわらず、俺の心はあたたかくなっていた。
シューークリームを食べた後も、俺は、またおやじさんの後を付いて回った。
気付けば、日も沈みかけ海の色がオレンジ色に照らされていた。
喫茶店は、夜も営業していて、小さな店はほぼ満席だった。奏海がエプロン姿で、パタパタと手伝っている。
「海里くん、夕飯食べって行って。もうすぐ落ち着くから」
忙しそうな梨夏さんに申し訳ないと思い、俺は首を横に振った。
「いえ。そろそろ帰るんで……」
「いいから、食っていけ」
後ろに、おやじさんの無愛想な顔があった。
梨夏さんは、ふふっと笑って忙しそうにキッチンへと戻って行った。