Sign of Love
「嬉しかったよ、あの時の話をしてくれて。佐倉さんのおかげで、もう少しこの会社で頑張ってみようと思った。ありがとう」

わたしはぶんぶんと首を横に振った。

「わたしにとって坂巻さんはあの日からずっと、ずっと憧れでした。わたしも文句ばっかりじゃなくて、周りの人たちに感謝しながら、人を幸せにできるような仕事がしたい」

坂巻さんは少しだけ頬を赤らめて、はにかみの混じった笑顔を向けてくれた。

「雨は止んだけどさ、家の近くまで送ろっか」
 わたしは坂巻さんの申し出に、素直に頷いた。

 ハンカチで一度軽く目元を押さえた。横に並んで歩き出すと、指先が坂巻さんの手に掠った。思い切って握ってみると、坂巻さんは戸惑いながらもそっと手を握り返してくれた。
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