不眠不休アウトサイド

フェンス

『フェンス』

こんな物
思い切って押してしまえば
あっという間に倒れてしまう

僕にはそれだけの力が有って
実行するのは容易いことで
それなのに何が僕を止めるのかって
いつも不思議に思ってた

世間は欺瞞に溢れてるって
斜に構えて生きてると
みんなつまらなく見えてくる

筆一本で影が引けるように
陽のあたる場所なんて
目まぐるしく
気まぐれに変わってくから

気張らず
ゆったり
それでも真っ直ぐ

自分の足元だけは見ていよう

"遠い目をした人"がどんなかなんて
これっぽっちも分からなかった
宙ぶらりんの虚しさを
想像さえもしなかった

フェンスの前に立ってた僕も
きっと同じ目をしてたんだろう

君が僕を見るまでは
そんなことにも気付かなかった

向こう側へはたった一歩

それでも僕がここに居るのは
期待とか希望とか
捨てがたいものがまだあるってことで

押してしまえば
全部無くなってしまうんだ
< 8 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop