ディナーセットのサラダみたいな
硝子窓に反射するカラフルな光。
深夜を乗り切る友であり、
春夏秋冬を共にする喉の恋人。

そう、自販機。

私和葉ちゃんは今、自販機の前に立っています。
自販機の前ですることと言えば~?

「コーヒー買お~~~」

ピッ、押し慣れた下段右端三番目。
私の愛する無糖のジ〇ージア…




…無糖の…
 






…間違えた。





コレ微糖ですわ。





どよんと一人沈み込む私…。
の、前方から誰か来たぞ?

いや、別に微糖が出てきたのがショックだったわけじゃないよ?
たださ、あー私そんな注意力ないんだー…とね…


…よし!落ち込みタイム終わーり!
はてさて前方から来てたのはー…
 
「支部長さん!司会お疲れ様です!」

「…ああ、萩原君か」

「ちょ、顔色悪くないですか!?」

「いや…以前アンケートを取っただろう?希望者が少なくてな、割り振りに苦労して」

「んー…やっぱ皆さん的にはハズレ枠なんですかねぇ?」

「随分張り切っているようでなによりだが…
恐らく厳しくなるだろう、萩原君、無茶はしないように」

「お気遣いありがとうございまっす!
でもやっぱ地元のプロジェクトですから、気合入っちゃいますわ!」

こちら我らが支部長、岩動浩二さん!
私が入社した当初から随分と世話を焼いてくれた恩人!


…あ、読めます?
”いしどう”じゃないっすよ、”いするぎ”ですよ!
あんなに名刺のルビに感謝したのは初めてだったなぁ…


…。そんなことじゃなくて!


新設だった地方開発部も気にかけてくれて…
ほんっと頭が上がらないですわ!

いつでも何か感謝を表したい!
とは思えど機会がないんだな、これが。


あ、そうだ。
確か支部長さんコーヒー好きだった気がする。

「よければコレどーぞ」

さっき通りすがりに買ったブツです!!
私は無糖が好きだけれどコレは微糖!!!
位置が入れ替わってたんです!

「…!どうも」


これは…!


「支部長さんが笑った!?」

「…萩原君は私を何だと思っているんだ?」

怒られちった!
まあ笑ってたしいいっしょ、許して!

…っと、支部長さんはそろそろ質問攻めにあうお時間だそうで。
ではでは、と手を振ったあたりで…今気づいた、後方に人影!


「ま、まさか…忍者!?」

「忍者ではないなあ…僕だよ、萩原さん」


お、お前は…!
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