ディナーセットのサラダみたいな
じゃあいつ仲良くなったか?

小学校入ってすぐ。

…いや、うん。
別に小学校は人が少かったとかじゃなくてね?

偶然、と言いますか。
入学式、一緒のクラスだったんだけどさ…
周りの娘達が「イケメン」「かっこいい」
って持て囃しているわけですよ。

まあ、何だ?って思うじゃないですか。

で、覗いてみますとね。
何だコイツ、って思ったかなぁ、当時は。

女子よりサラッサラのストレートヘア。
大きいながらもシュッと切れ長の目も凄えし。
綺麗系の癖して幼い笑顔が一番ヤバいんだわ。
キツそうな雰囲気が一変、完璧優等生。

これが私とおんなじ生き物だって
理解するのにまず時間がかかったよね。

そんで入学式、なぜか席が隣。
周囲からの羨望の眼差し。
でもまあ挨拶くらいしねーと、と思ってさ。

「はじめましてー!これからよろしくね!」

ったらなんか焦った顔で返されて。

「え?…あ、うん、はじめまして」

そこで初めて声を聞いたんですよ。
ウワーー!イケボだーーー!ってなった。
冗談じゃなく当たりの空気が一変したね。

透き通ったよく通る声。
聞いてて飽きない声、っていえばいいかな?
子守歌にも作業用にもなりそうな絶妙さ。

まあ声聞いてる余裕なかったんですけどね。
…突き刺さる周りの目線ね。
もうヤバい、マジでヤバい。もはや敵意。

まあそんなこんなで始まった入学式。
センセの話は長いワケで。まあお昼寝の時間。
その間にもチクチク視線が痛かったけどね。

んで器用にイイ感じのトコで目ぇ覚まして。
…たら京介に話しかけられてさ。

「…よくねてたね?」

オイ一言目ソレかよって思ったけど。
まあ話しかけられてうれしかったですし?

「きづかれずにねるのトクイなんだわ!」

つったら笑うもんだから気付かれそうで。
その笑いを止めようと思って名前呼んだのな。

「ちょ、…ぇ―…うすいくん!しーっ!」
 
「…それやだ」

「へ?」

「…なまえでよんでよ、かずは」

馴れ馴れしくしたら殺されそうだったけども。
まあそう言われちゃあ呼ぶしかねーな!

「じゃあー、きょーすけ!」

そしたら嬉しそうに笑うもんだからさ。
小学校初の友達、大事にしなきゃって思った。

まあそんときはそれだけ。
その後から始まるんだわ、私達の歴史は!
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