ディナーセットのサラダみたいな
新学期最初の一大行事、係決め。

予想通り、アイツに群がる女子たち。
困ってんだろーが辞めてやれ。
あらら、どう見てもまだ決まってなさそう。

…だーもう!こっちチラチラ見るのやめろ!
私は手ぇ貸さないかんな!
だって女子の恨みっていうのは怖いんだ!

「センセー、あたし”ガクシュウイイン”やるー」

ほら、皆の嫌いそうな放課後居残り系だぞ?
センセから受け取った宿題配ったり、
センセに宿題持ってったりすんの嫌だろ?

ほらほら喜べ!嫌なの一つなくなったぞ!
そして私に羨望の眼差しを向けるのをやめて!

そんなことを脳内で考えていた私に、
衝撃が走る。

「せんせい、おれもがくしゅういいんします」

…え?
嘘だろ、そんなことしたら…

「えー!かずはちゃんばっかずるーい!」
「そ、それならわたしがやるもん!」
「ウチもやりたいとおもっとったんやし!」

あーほら!やっぱこうなった!

しかし、私の焦りは先生の一言で消えた。
先に言っておいてください、そういうのは。

「ごめんね京介くん、君のお家から
早く返すように言われてるから…」

学習委員はさせられられないんだ、と言って。
申し訳なさげに先生は眉を下げる。

私はといえば、ほっと胸を撫でおろしていた。
ああ、焦ってる焦ってる。
女子に集られて可哀想になあ、恨むならその顔を恨みな。
< 5 / 14 >

この作品をシェア

pagetop