蒼い月と紅の灯火
この人はあれかな、お化けかな。
いや、人ってか狐……いや。
「二重人格な貴方はさよならです」
「朱里ちゃん、言うことおかしくなってるよ」
「私で遊んで楽しんでません?」
「そういうわけじゃないよー」
「怖いんですよ!」
そう、怖くてたまらない。
いつもと違うあの雰囲気が、冷たい瞳が。
襲い来る獣のような……。
「だからドキッとするくせに」
いつの間にかすっぽりと朔夜の腕の中にいた。