蒼い月と紅の灯火
「な! は、離して!」
「嫌に決まってんだろ」
ひょいっとそのまま抱え……担ぎ上げられる。
まさか、まさか……。
「ま、まさか」
「そ、そのまさか」
ニヤリ。
その笑みと共に地面が遠くに見える。
「いやぁぁああ!」
流石と言わんばかりの跳躍力。
一瞬で地上から十メートル程の高さになる。
お母さん。
朔夜はこんな嫌な奴になりました。
もう無理です。
お父さん……。私昔から高いとこ苦手なんです。
「ははっ、高いとこ怖いまんまか!」