蒼い月と紅の灯火

【朔夜side】




蒼兎が出掛け、俺と二人だけになる。
意識してくれているのだろう。
途端に朱里がおろおろし始める。




「朱里ちゃーん?」




「は、はい!?」




「そんなおどおどしてどうしたの?」




「え、いや」




自分でも分かるくらい今笑ってる。
つい、目を細めて。




朱里ちゃんの反応を見るからに、俺のこの仕草は怖いんだろうな。




どうして、ここまで黒くなってしまうんだろう。




ただ、君の事が好きなだけなのに。
どうして、黒い感情が湧き出てくるのだろう。




蒼兎、お前が羨ましくてたまらないよ。




いいな、好かれていて。




「朱里ちゃんは、何を迷ってるの?」




「え……?」




その驚いた顔も、愛しい。
でも、君は、俺のもとには……。




「朱里ちゃんは蒼兎が好き?」




「恋愛感情としてなら、わからないんです」

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