エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「まさか……本当に、そうなんですか? でもなんで、いっせ……部長が、それを」
「男女関係に関する鼻は利くんです。そして今まで、僕の予想が外れたことはありません。あの二人は、間違いなく寝ています」
ハッキリと断言されると、頭の上にたらいを落とされたような衝撃が走り、目の前をちかちかと星が回る気がした。
うそでしょ……? だって、唯人くんはあんなに一生懸命な告白をしてくれて、露子も私たちを応援してくれて……それが、全部嘘だったって言うの?
「あの二人が……そんな」
私には、一誠さんの言うような二人の関係をすぐには受け入れられない。
だて、あの唯人くんが二股? というか、すでに露子とは“寝ている”のなら、私の方が浮気って可能性も……。
「……ただし、正当なお付き合いだとは限りません。男女の関係は、何も恋人というカタチだけではありませんから」
「え……?」
恋人以外の、男女関係? その含みのある言い方に、私はようやく思い当たった。
そういえば前に……露子の口から、その関係について聞かされたことがあるじゃない。
好きな人がいて、でもその好きな人は別の誰かのことが好きで。お互い、寂しさの穴埋めのように、“セフレ”という関係になっているって。
その相手が、唯人くんだった。そういうこと……?