エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~

予想外の展開に、驚きを隠せない。でもそれ以上に、私の胸に押し寄せるのは、後悔の念だった。

「じゃあ、露子が本気で好きな相手って……なのに、私……」

唯人くんに告白されたことも。付き合うことにしたのも。露子は全部知っている。

勘のいい露子のことだ、私の気持ちがゆらゆらとした不確かなものであることにも、きっと気づいている。

『部長のことなんか忘れて、今度こそ、幸せになりなよ?』

電話で話したあのとき、彼女はそうやって私の背中を押すようなことを言ってくれた。

私は単純に、露子の心からのエールだと思ってたけれど……おそらく、もっと複雑な思いから出た言葉だ。

露子は、一体どんな気持ちで私の話を聞いていたんだろう。傷つけてしまったよね……。

今さら後悔しても仕方がないのに、やりきれなさばかりがこみ上げる。思わず目頭が熱くなって俯くと、目の前に一誠さんの革靴が近づいているのに気づいた。

私が顔を上げる前に、一誠さんの手が顎の下に添えられる。そのままくいと上を向かされ、濡れた瞳を覗かれた。



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