私、いじめたアイツをオトしてみせます。〜イジワル男子攻略法〜


「あ、おい!そこの女子!確かウチのクラスの生徒じゃなかったか?」


私がしばらく立ち止まって考えていると、さっきの男子とは反対側の方向から石田先生の姿が見えた。

そして、どうやら私を呼んでいるらしい。


「は、はいっ」

「おぉ、やっぱりそうだったか。えーと、確か名前は……」

「新垣です」

「おぉ新垣か。すまんな、俺も流石にまだ顔と名前が一致してないんだ。それで新垣、お前こんなところで何してる?帰ったんじゃなかったのか」


私がまだ校内をうろちょろしていることに疑問を抱いた石田先生に状況を説明すると、「ほぉーなるほどな」そう言って特にそれ以上の反応もなく頷いた。


「ま、いいや。でさ、ついでで悪いんだが、この用紙をクラスの教卓の引き出しに入れておいてくれないか?明日の身体測定で使うもので、朝配らないといけないんだよ」


私は石田先生からクラス人数分の用紙の束を受け取り、「わかりました」と答えた。


「助かる!これから明日からのことで職員会議なんだ。ちょっと時間繰り上げられちゃってさ、もう戻らないといけないから助かった。よろしくな!」


私が石田先生に対して首を縦に振ると、先生は一言お礼を言ってからまた職員室のある方向へ戻って行った。

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