さようなら、初めまして。
結局、話といっても、こんな風になると、取り立てて話す事が見つからない。
ただ、今日、さっきまでの感じで別れたくなかったのは確か。
雰囲気が悪いままでは嫌だったから。
連絡先が解ったからなのか、ある意味、引いた、距離を置くつもりもあってなのか、ジンさんとおやすみなさいと別れる時、決めた次の約束はなかった。
それは、いつでも連絡を取れる状態になったから…会えなくても心配もしなくていい、から…だと思う。
送ってくれたジンさんを見送った後、一人になってから思った。
ジンさんは、何をしてる人なんだろう。時間が無くなったって意味、自由な時間って、何だろう。バイトは終わったって。何か目的のようなモノがあったのだろうか。
こんな風に思うなら、疑問に思う事、聞いたら良かったって、…思った。
でも…好きとは言ってないから。
興味を持ったみたいにあれこれと聞いたら、変に誤解させてしまう元…。
誤解って…。
私は、悠人の事、どういう風に考えて納得しようと…。例えば、いきなり目の前に現れて、元のようになれるモノなの？現れたからといってまだ私を好きだとは限らない。私だって…。好きだったからといって、……気持ちがどれ程のモノなのか。もし、悠人から目の前に現れる事があるとするなら、それは…別れの話をきちんとしに来るんじゃないだろうか。
現れなければ、自然消滅…。私は、意識して好きだと、いつまでも好きだと…悠人を一生思ってるの？…。
それさえも、もう…よく解らないまま。好きでいる事が…義務？約束に来なかった事は無責任だと言える事なの？
せめて、悠人がどこに居るのか解れば…ちゃんとした区切りはつけられるような気がする。
ただ、嫌いになったのか、……悠人が居なくなってしまったのか、そこがはっきり解れば…この置き去りにされた気持ちは納得出来る。
……どっちにしても駄目なものは駄目なんだ、…そうだ。
私の中で、好きは好きのまま存在して、会えない理由があって、そのままなんだからって、思いたい気持ちがずっと優先してたから…。
後日だって、お店に来て、何かを事付ける事も出来たはず。それもなかった。今の今まで何もない。
…私は閉店時間になった時、洋食亭の人に、悠人が来たらって、メモを頼んでおいたけど、それを受け取る事はなかった。悠人が店に訪れる事はなかった。
それは思いもしない偶然だった。
ふと街角で見かけた。何か、に引かれて視線を向けた。姿勢のいい後ろ姿の男性。話し掛けられた方へ向けた横顔で解った。ジンさんだった。ジンさんは女性と一緒だった。私の知っているジンさんとは、印象が違った…。引き締まった顔つきで、整えられた髪型にスーツ姿だった。キビキビとした女性と並んで歩いていた。
【逢生、見た！】
…何？事件みたいに。
【今日、ジンさん、見た！シュッとして格好良かったぁ】
あー、アキちゃんも見掛けたのね…。きっと、私の見たジンさんと同じ状況を見たって事なんだろう。だからこんな唐突なメールを。…顔を知ってしまうと、何て言うか、目敏いな…。
【でも、好きって言っておきながら、何。あれ】
…はぁぁ。聞かれても…私だって知らないから。
【女性と一緒に居たって事よね？私も見掛けたよ。…あのね、私、別に、私からは好きって言ってないから】
【そうだよ？にしてもよ！こっちが上手くいってないならあっちなの？】
…ふぅぅ。知りません。そんな言い方だと、複数女性が居るみたいな…。アキちゃんが感じたように、二人の雰囲気は違和感がなかったってことは確かよ。
【アキちゃん、ジンさんと話したの？一緒に居た女性がどんな関係性の人か解らないから】
【じゃあ、逢生は聞いたの？】
返信、速。……。
【聞いてみてはないよ】
だって、見掛けただけ…連絡してないから。
【いいの？ていうか、ジンさんどうなの、どんな人なの、信頼できる人で間違いないの？いい人とは大人が演じられる外面で、内面は解んないじゃない】
…アキちゃん。
【信頼も何も…そんな裏表がある人ではないと思うよ。私は、…今は自然でいいって言われてるし、私も、無理して好きになるとかしたくないから】
【は。そんな、余裕ぶっこいてていいの？】
ぶっこいてって…。
【余裕とか。そんなんじゃないけど】
仕方ないよ。無理はするものじゃない。
【じゃあなぜ？】
聞かないのって事？
【だから】
…。
【好きって言ってないんだから】
聞くって事は、二人の関係性に図々しく介入するって事よ？…そんな権利…。これじゃあ、また話が元に戻ってしまう。
【ジンさん、誰かのモノになっていいの？あの人がそんな関係の人じゃなくても、ハッキリしない態度の女を…、いつまでも逢生の事を思ってくれてると思う？
自然でいいって言っても、そんなの建前じゃん。会いもしない、連絡すらしない。そんなんじゃ、友達としてだってつき合いが疎遠になっちゃうよ？】
ただ、今日、さっきまでの感じで別れたくなかったのは確か。
雰囲気が悪いままでは嫌だったから。
連絡先が解ったからなのか、ある意味、引いた、距離を置くつもりもあってなのか、ジンさんとおやすみなさいと別れる時、決めた次の約束はなかった。
それは、いつでも連絡を取れる状態になったから…会えなくても心配もしなくていい、から…だと思う。
送ってくれたジンさんを見送った後、一人になってから思った。
ジンさんは、何をしてる人なんだろう。時間が無くなったって意味、自由な時間って、何だろう。バイトは終わったって。何か目的のようなモノがあったのだろうか。
こんな風に思うなら、疑問に思う事、聞いたら良かったって、…思った。
でも…好きとは言ってないから。
興味を持ったみたいにあれこれと聞いたら、変に誤解させてしまう元…。
誤解って…。
私は、悠人の事、どういう風に考えて納得しようと…。例えば、いきなり目の前に現れて、元のようになれるモノなの？現れたからといってまだ私を好きだとは限らない。私だって…。好きだったからといって、……気持ちがどれ程のモノなのか。もし、悠人から目の前に現れる事があるとするなら、それは…別れの話をきちんとしに来るんじゃないだろうか。
現れなければ、自然消滅…。私は、意識して好きだと、いつまでも好きだと…悠人を一生思ってるの？…。
それさえも、もう…よく解らないまま。好きでいる事が…義務？約束に来なかった事は無責任だと言える事なの？
せめて、悠人がどこに居るのか解れば…ちゃんとした区切りはつけられるような気がする。
ただ、嫌いになったのか、……悠人が居なくなってしまったのか、そこがはっきり解れば…この置き去りにされた気持ちは納得出来る。
……どっちにしても駄目なものは駄目なんだ、…そうだ。
私の中で、好きは好きのまま存在して、会えない理由があって、そのままなんだからって、思いたい気持ちがずっと優先してたから…。
後日だって、お店に来て、何かを事付ける事も出来たはず。それもなかった。今の今まで何もない。
…私は閉店時間になった時、洋食亭の人に、悠人が来たらって、メモを頼んでおいたけど、それを受け取る事はなかった。悠人が店に訪れる事はなかった。
それは思いもしない偶然だった。
ふと街角で見かけた。何か、に引かれて視線を向けた。姿勢のいい後ろ姿の男性。話し掛けられた方へ向けた横顔で解った。ジンさんだった。ジンさんは女性と一緒だった。私の知っているジンさんとは、印象が違った…。引き締まった顔つきで、整えられた髪型にスーツ姿だった。キビキビとした女性と並んで歩いていた。
【逢生、見た！】
…何？事件みたいに。
【今日、ジンさん、見た！シュッとして格好良かったぁ】
あー、アキちゃんも見掛けたのね…。きっと、私の見たジンさんと同じ状況を見たって事なんだろう。だからこんな唐突なメールを。…顔を知ってしまうと、何て言うか、目敏いな…。
【でも、好きって言っておきながら、何。あれ】
…はぁぁ。聞かれても…私だって知らないから。
【女性と一緒に居たって事よね？私も見掛けたよ。…あのね、私、別に、私からは好きって言ってないから】
【そうだよ？にしてもよ！こっちが上手くいってないならあっちなの？】
…ふぅぅ。知りません。そんな言い方だと、複数女性が居るみたいな…。アキちゃんが感じたように、二人の雰囲気は違和感がなかったってことは確かよ。
【アキちゃん、ジンさんと話したの？一緒に居た女性がどんな関係性の人か解らないから】
【じゃあ、逢生は聞いたの？】
返信、速。……。
【聞いてみてはないよ】
だって、見掛けただけ…連絡してないから。
【いいの？ていうか、ジンさんどうなの、どんな人なの、信頼できる人で間違いないの？いい人とは大人が演じられる外面で、内面は解んないじゃない】
…アキちゃん。
【信頼も何も…そんな裏表がある人ではないと思うよ。私は、…今は自然でいいって言われてるし、私も、無理して好きになるとかしたくないから】
【は。そんな、余裕ぶっこいてていいの？】
ぶっこいてって…。
【余裕とか。そんなんじゃないけど】
仕方ないよ。無理はするものじゃない。
【じゃあなぜ？】
聞かないのって事？
【だから】
…。
【好きって言ってないんだから】
聞くって事は、二人の関係性に図々しく介入するって事よ？…そんな権利…。これじゃあ、また話が元に戻ってしまう。
【ジンさん、誰かのモノになっていいの？あの人がそんな関係の人じゃなくても、ハッキリしない態度の女を…、いつまでも逢生の事を思ってくれてると思う？
自然でいいって言っても、そんなの建前じゃん。会いもしない、連絡すらしない。そんなんじゃ、友達としてだってつき合いが疎遠になっちゃうよ？】
