明日を生きる君達へ

1本の電話と俺

家に帰った俺は、家でのんびりくつろいでいた。
プルルルルルと、受話器が鳴る。
誰だろう?番号の所に表示は無く、非通知。怪しい、怪しすぎる。けど、ここで出なかったら、まるで小学生みたいじゃないか。よし。出よう。
「もしもし。」
『もしもーし、神木くん?』
「え、誰…ですか?」
『ええっ!?傷つくなぁ、この声、覚えてない?』
「え、もしかして……」
間違いない。この明るくてテンション高めの声。この声は……
「遠藤……なのか?」
『正解!久しぶりー!』
「いや、久しぶりとかじゃなくて、お前死んだんじゃ……」
『んーと、まぁ確かに死んだんだけど…説明が面倒臭いな……』
うーん、としばらく考えているような声の後、まいっか、という声が聞こえてくる。多分説明するのを放棄しようという意味のまいっか、だろう。
『えっと、実はお願いがあるの。』
「…んだよ。」
『絶対信じてないでしょ!まぁいいや、とにかく聞いて。』
『数週間後、零は事件に巻き込まれて、命を落とすかもしれないの。』
「は?」
ちょっと待て、いきなり死んだはずのやつから電話がかかってきて、しかも零が死ぬかもしれない、だと?
なんなんだよ。訳わかんねぇにも程があるだろ!
と、少しキレ気味の俺だが、こらえて話を聞く。
『だから、零を守って欲しいの。あなたのその能力で。』
「………」
正直言うと、俺は零を守れるという自信が無い。でも、これは俺にしか出来ないことだ。俺が、やるべきなんだ。
「分かった。引き受ける。」
『ありがとう!あ、この電話の事は、零には内緒ね?じゃ、零の事は任せたよ!これが最後かも知れないけど、また会うかもしれないから、覚えておいてね!』
ガチャと乱暴に受話器を置く。
遠藤、あいつほんとに零の事大事に思ってたんだな。お前の貸し与えた能力は、一体なんの為に使われるんだ?てか普通は零に電話するだろ。
まぁ、そんな事を考えても仕方がない。
任務は零の護衛。なにかと一緒に居ることの多い俺なら、きっとやれる。自分自身を奮い立たせて、俺は読みかけの、あいつ……凌久からの色褪せた手紙を手に取った。
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