苦くて甘いビターチョコといちご
颯太side

美恋の部屋の前で座って待ってるが、家の荒れ具合が酷すぎる強盗でも来たかのような感じだ
窓から見える雲の流れと鳥の声が時間の流れをゆっくりに感じさせられる
「、っはぁ、パパ、ママ、、」
ドアの向こうから美恋の声が小さく聞こえる
泣いてんのか、、
「っ、苦しい、」
呼吸が乱れる音
少し心配になった
覗いてみるか
「美恋?開けるぞ?」
ドアを少し開けると
床で蹲り喉を手で抑えている
「っはぁ苦しい、」
過呼吸か!?
「美恋!」
駆け寄り背中を摩ると俺の方に手を伸ばしてきた
「助けて、このまま、殺して、、」
「バカ言ってんじゃねぇよ」
伸ばしてきた手を握ると指先が冷たくなっていた
「手足、痺れてるか?」
涙流しながらこくこくと首を縦に降る
「大丈夫だ、俺と同じように息しろ!」
優しく抱き締めて背中をゆっくりさする
ゆっくりと呼吸して美恋に真似させる
少しずつ収まってきた様で頭撫でて
背中をぽんぽんと叩く
「はぁ、」
「落ち着いてきたか」
「はい、すみません」
「美恋、お前は何も悪いことしてねぇだろ、すみませんは聞きたくねぇよ
こういう時に言うのはすみませんじゃなくて
"ありがとう"でいいんだぞ」
ぽんぽんと頭を撫でて涙を指で拭うと
俺の胸に顔埋めた
「ありがとうございます」
少し耳赤くしてるのが髪あいだから見えた
ムニっとほっぺ掴んで遊んでると
「いひゃいれす(痛いです)」
なにこれ楽しい
やっぱり顔ちっちぇー笑
「よし、荷物整理続きするか!」
「ひゃい(はい)」

私服を少しと夏服の制服と冬の制服の替えと教科書など紙袋に詰め
「ほら重いだろ、紙袋持つから美恋はリュックだけ背負ってろ」
2つの紙袋をもって外で車の中にいる琥太のとこに戻る
仲良く写ってる両親と小さい美恋の写真は美恋が大切に持って

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