死にたがりティーンエイジを忘れない


目が覚めたら一人ぼっちで、わたしは呆然とした。

寂しいっていうのは、きっとこの気持ちのことだ。


寂しさに気付かなければよかったとは、わたしは思わなかった。

寂しいと感じることは、苦しいことだ。

でも、これは未来につながる寂しさだ。


もう一度ミネソタに行くまでは、ちゃんと英語を使ってケリーたちと話をするまでは、わたしは死ねない。

生きていてやる。

ちょっとだけでもいいから、今よりもカッコいい自分になってやる。


いつの間にか流れていた涙を拭いながら、わたしは高校に進学してから初めて、ちゃんと前を向いた。

わたしは、二学期が始まってすぐに提出する進路調査票の第一志望校の欄に「響告大学文学部」と書いた。


挑戦してやる。

こんなところでリタイヤするもんか。

負けるもんか。


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