死にたがりティーンエイジを忘れない
エピローグ


ここに書いた小説には、実話と呼ぶにはあまりにも多くの嘘がある。

人名も地名も、登場人物の経歴も年齢も、

ある出来事がいつ起こったのかも、そこに誰が居合わせたのかも、

たくさん嘘をついている。


けれども、もしもこれを読むあなたがわたしと同じ苦しみを経験したことがあるのなら。

例えば、学校に行けないとか、

友達がいじめに遭ったとか、

点数や偏差値に追い詰められているとか、

眠れないとか笑えないとか食べられないとか、

もしもそんな経験があるなら。


わたしがどんな嘘をついて、どこに事実を語っているか、きっとわかってしまうと思う。


自分のほうがもっと苦しい思いをしていると感じる人もいるだろう。

わたし自身、わたしは大して不幸なんかじゃなかったと思っている。

なのに、普通の生活ができなかった。

閉じこもってしまった。

病んでしまった。

それは弱さだったんだろうか。


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