シンデレラは騙されない


「凛様、大丈夫ですか?
仕事はやっていけそう?」

凛様はアイスコーヒーを飲みながら、私に軽くウィンクをする。

「今日の仕事は、挨拶回りみたいなやつ。
俺が回るより、お偉いさん達が俺の元へやってきて名刺交換みたいな。
はっきり言って、くだらない儀式だよ。
もう今の段階でうんざりしてる」

凛様は私のサラダの中に自分のプチトマトをポンと入れた。

「え?
私、トマト要りません」

トマト、あまり好きじゃない。

「俺も嫌い。
でも、麻里はお肌のために食べたほうがいいよ。
今よりもっときれいになるから」

そ、そんな風に言われたら…
でも、やっぱり2個は無理。

私は何も言わずにそっと凛様の皿にトマトを戻した。
凛様は顔をしかめて笑っている。
さてどうしようかみたいなため息をついて。

「じゃ、一緒に食べよう。
俺の掛け声で一緒に口に入れて、一気に飲み込む」

私は可笑しくて食べていたサラダを出しそうになった。
凛様って子供のまま大人になったみたい。



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