シンデレラは騙されない


「いいですよ。
でも、絶対に食べて下さいね」

「麻里もだぞ」

私はためらいがちに頷いた。
最近、あまりプチトマトって食べていない。

二人でフォークにプチトマトを刺して、凛様のせーのとういう掛け声で二人とも口に放り込んだ。
そのバカバカしさが可笑しくて、笑いがこみ上げて中々飲み込めない。

凛様は顔をしかめながら、トマトを飲み込んだ。
その姿を見て、私はますます笑いが止まらなくなる。

「するいぞ、麻里も早く食べて」

凛様はトマトをアイスコーヒーで流し込みながら、私にそう言った。
私は頑張って一回だけ噛んで、無理矢理トマトを飲み込むと、もう可笑しくてたまらない。
そんな自分達が滑稽で、私と凛様はしばらく笑い合った。

そして、楽しくてたまらない。
こんな風に時間を過ごす事は、私にとっては不幸せなのかもしれないのに。



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