シンデレラは騙されない


凛様は私の左手に優しくキスをした。
この指輪に自分の魂を、祈りを全て託してるみたいに。

私は初めて凛様の言葉を信じようと思った。
自分の中のしがらみは、自分次第で捨てる事だってできる。
というか、私自身、凛様じゃなきゃダメ…
凛様しか愛せない。
凛様を死ぬまで守りたい。

私は凛様の首元にしがみついた。
何も考えずに逃げる事ができたなら、どんなに幸せだろう。
でも、この指輪に私も誓う。
皆に認められて結婚したい。

そのために、私だって出来る事をちゃんとする。
今は、星矢君を必ず合格させる事。

「凛様、私だって、凛様の事を愛してる…
愛し過ぎて、何が正解なのか分からなくなってるの…

でも、凛様の言葉を信じます…
私も凛様とずっと一緒にいたい。
そうできるのなら…」

私の中の本心が、堰を切ったように次から次へと溢れ出す。
愛してるって言いたかった…
一緒にいたいって言いたかった…
そんな想いが涙とともに溢れ出す。



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