私は強くない
どうして?金谷君もだけど、香里まで柏木部長と一緒にいるの?
聞きたいけど、今のこの空気の中聞けない…
「何やってるんだ、都築。そっちのテーブルだろ?ここは俺が出してやるから飲め飲め!」
柏木部長は、営業部だけじゃなく、人事部の面々まで集まったのを見て、上機嫌になっていた。
とりあえず、都築課長に促され隣のテーブルに座った。
すでに、営業部の方は飲み会が始まってるようで…
「こっちは、こっちでするか!」
都築課長が音頭を取って、飲み会が静かに始まった。
「…聞きなさいよ」
「お前が聞けよ…」
美波と橋本君は、柏木部長の横にいる香里との関係を聞き出せと、言い合いになっていた。
仕方ないか、ここいらで聞いておかないと、ややこしくなってくるな。
とりわけ、拓真の顔が引きつっているように見えるのは、香里と私がいるからなのか…分からないけど。
意を決して、私は席を立ってビールを注ぎに柏木部長の所に行った。
「柏木部長、どうぞ…」
「おぉ、倉橋君。すまんね」
グラスの淵ギリギリに注いだビールを、慌てて口に持っていく柏木部長に
「柏木部長、こちらの方ってどなたなんですか?お知り合いの方ですか?」
「ん?あぁ、香里か?」
香里か?
って、知り合い?呼び捨てって事は?
香里自身、私が横に行ったもんだから、さっきより小さくなっている。
圭輔さんも金谷君も目で合図してる。
聞くな?聞いてしまったじゃない。
柏木部長に聞いてしまった手前、その場から動けなくなってしまった。
「香里はな、俺の姪なんだよ」
「…え?っえぇ?め、姪?」
「っ、びっくりするじゃないか。そんなに驚く事か?」
「…あ、あ、すみません。まさか、柏木部長に、こんなに大きな姪御さんがいるなんて、思いもしなかったもの、で…」
これ以上、言葉が出てこない…
まさか、まさか…
その時、ちらっと拓真が視界に入った。
顔面蒼白、お酒ももちろん進んでいない。
当たり前よね。
柏木部長の姪である、浜口香里を騙して、初めてを奪ったあげく、妊娠騒動まで起こし、今は完全シカトしてるなんて部長に知れたら、生きていけないだろう。
「なんでまた、姪御さん達がここにいるんです?」
私達が落とそうとしていた爆弾を、橋本君が落としてしまった。
聞きたいけど、今のこの空気の中聞けない…
「何やってるんだ、都築。そっちのテーブルだろ?ここは俺が出してやるから飲め飲め!」
柏木部長は、営業部だけじゃなく、人事部の面々まで集まったのを見て、上機嫌になっていた。
とりあえず、都築課長に促され隣のテーブルに座った。
すでに、営業部の方は飲み会が始まってるようで…
「こっちは、こっちでするか!」
都築課長が音頭を取って、飲み会が静かに始まった。
「…聞きなさいよ」
「お前が聞けよ…」
美波と橋本君は、柏木部長の横にいる香里との関係を聞き出せと、言い合いになっていた。
仕方ないか、ここいらで聞いておかないと、ややこしくなってくるな。
とりわけ、拓真の顔が引きつっているように見えるのは、香里と私がいるからなのか…分からないけど。
意を決して、私は席を立ってビールを注ぎに柏木部長の所に行った。
「柏木部長、どうぞ…」
「おぉ、倉橋君。すまんね」
グラスの淵ギリギリに注いだビールを、慌てて口に持っていく柏木部長に
「柏木部長、こちらの方ってどなたなんですか?お知り合いの方ですか?」
「ん?あぁ、香里か?」
香里か?
って、知り合い?呼び捨てって事は?
香里自身、私が横に行ったもんだから、さっきより小さくなっている。
圭輔さんも金谷君も目で合図してる。
聞くな?聞いてしまったじゃない。
柏木部長に聞いてしまった手前、その場から動けなくなってしまった。
「香里はな、俺の姪なんだよ」
「…え?っえぇ?め、姪?」
「っ、びっくりするじゃないか。そんなに驚く事か?」
「…あ、あ、すみません。まさか、柏木部長に、こんなに大きな姪御さんがいるなんて、思いもしなかったもの、で…」
これ以上、言葉が出てこない…
まさか、まさか…
その時、ちらっと拓真が視界に入った。
顔面蒼白、お酒ももちろん進んでいない。
当たり前よね。
柏木部長の姪である、浜口香里を騙して、初めてを奪ったあげく、妊娠騒動まで起こし、今は完全シカトしてるなんて部長に知れたら、生きていけないだろう。
「なんでまた、姪御さん達がここにいるんです?」
私達が落とそうとしていた爆弾を、橋本君が落としてしまった。