好きって言わなきゃヤダ。【完】
すると瑠衣君はピタリと足を止め、振り返る。




「あっ、そうだ。今日の放課後、乙羽の観たがってた映画観に行くから、放課後空けといて。HR終わったら、迎えに行くから。」




「へっ…?あ、うん…!」




そして瑠衣君は口元に小さく笑みを作ると、


スタスタと教室を出て行った。




これってもしや、放課後デートのお誘い…!?


どうしようっ、嬉しすぎて、ニヤケちゃうっ。




「ふふっ。愛されてるね、乙羽ちゃん?」




隣でニッコリ笑う理仁君の声で、ようやく気付く。




…って、そうじゃなくって!


また上手くはぐらかされた気がする…!




「ちょっと瑠衣君…!それはそれで物凄く嬉しいんだけど…!」




アタシは教室を抜け、瑠衣君の後ろ姿に叫ぶ。




「好きって言わなきゃヤダ!」




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